2014.4.28
この花何かわかりますか?
人から頂いたもので、キンリョウヘンと言う名だと教わりました。
なんでも蘭の一種で、この花の香りが、女王蜂のフェロモンと同じ香りがするのだそうです。
2008年に頂いて、さっぱり花が咲かないので、諦めていたのですが、
身近に蘭博士がいることが分かり、しばらく預けて置いたら、こんなに立派になって帰ってきました。
どんなハチが匂いに誘われて、やって来るのか楽しみです。
2014.4.27
合鴨農法に使う鴨ヒナの受入れ準備です。
電気柵用のバッテリーを充電したり、カモ小屋を作ったりと忙しくなりました。
このカモ小屋にはいろいろな経験と汗と涙が詰まっています。
ここにたどり着くまで、様々な失敗を繰り返しましたが、
このカモ小屋になってから、ヒナの死亡率はほぼゼロになりました。
写真の説明をすると、カモ小屋は、合板で出来ており、これだけでも外敵の侵入はほとんどないのですが、
その周りを電気柵で囲っているので、犬・猫・タヌキ・イタチ等の四足から守られています。
カラスや鳶に対しては、小屋の上から漁網を被せてあります。
2014.4.26
トラクターで代掻きをするや否や、カモ達が田んぼに一直線にダイブしていきました。
あいつら、いつも鶏と同居しているけど、やっぱり水鳥だったんだなと再認識しました。
植付前の田んぼに鳥を放すことを鳥耕と言いますが、それは人間が意図してやった場合で、
鳥が勝手に飛び込んでいった場合は、逃げられたと言います(笑鴨)。
2014.4.23
朝、ハウスの裾を開けると瑞々しい緑が目に飛び込んできました。
それぞれの葉は、ピンと天を貫き、その葉先には水滴を湛え、ハウスのビニールと葉の緑を映してキラキラと輝いて見えました。
水滴が葉先に上がっているのは、根が健全に育っていることと、土壌に水分が充分に含まれていることを示しています。
それを確認して、今日の所はまずは一安心。
ところで、今夜地上波で放映された「舟を編む」、素晴らしい出来で、すっかり映画の世界に浸ってしまいました。
登場人物の一人一人の表情や、言葉、動作総てが、まるで三浦しをんの小説の中の世界を忠実に描いていると言うか、小説から抜け出してきて動き出したような気がしました。
監督の解釈により、色々な表現があるのだろうと思いますが、作家の意図していないことを監督が勝手に脚色して作る作品が多い中にあって、今回の「舟を編む」は出色の出来栄えであったと言っても過言ではないと思いました。
これにより、5月に公開予定の「神去なあなあ日常」が非常に楽しみになりました。
しっかり、テレビ局の作戦にはまっているって?
全くその通りです(笑鴨)。
2014.4.22
本日の天気予報は、曇り時々雨、最高気温19℃。
けれどもお空の様子は、雲がいくらかありますが、お日さんが顔を覗かせそうです。
こんな時に天気予報を信じて、ハウスを閉めっぱなしで出かけようものなら大変です。
ハウスの中は、熱気がこもり苗が息絶え絶えになることでしょう。
なので出勤前にハウスのビニールの裾を少し開けてから出かけました。
帰宅が10時になってしまったので、まだ裾が開けっ放しでしたが、ドンマイ。
2014.4.19
天気が良かったので、ハウス内の温度はぬくぬく。
あまり高温になると苗が水分不足で枯れる(農家ではヤケと言います)ので、
換気のため、ビニールの裾を開けました。
ネットを被せたのは、鳥対策です。
田んぼの作業としては、2回目の耕耘(荒起し)をやりました。
2014.4.16
ハウスで芽出しを終えた苗を息子に頼んで田んぼに並べてもらいました。
水が溜まれば、水苗代。
溜まらなければ、畑苗代です。
この苗の出来で、今年の合鴨農法がうまく行くかどうかが決まるので、藁にもすがる思いです。
2014.4.14
収量を上げるために、一日でも早く田植えをすることがキーとなることを昨日述べました。
その理由は、圃場での生育期間を長くして、光合成器官である葉面積を確保してから穂を作った方が、より多くのエネルギーを蓄積できるからです。
けれども、植物には生育適温と言うものがあって、イネでは15℃を越えないと生育できません。
ですので、田植え前の幼苗期をハウス内で過ごし、外気温が上がったところで、田んぼに下ろすやりかたが定着したのです。
農業技術発達史によると、農業用ビニールの発売開始が、昭和26年。
そして、6年後の昭和32年、水稲室内育苗つまりハウス栽培が開発されました。
この時、養蚕箱を使うアイディアが試されて、今の育苗箱のサイズ(30cm×60cm)に繋がっているんですね。
そう、この技術により従来よりも1ヶ月も田植えの時期を前倒しに出来るようになりました。
この時の試験では、収量が1石(150kg)も改善されたと記されています。
2014.4.13
昨日、昔は6月田植えだったのに、今では5月田植えが定着したと書きました。
技術的にそれを可能にしたのは、2つのお百姓さんの技術に依ります。
1つめは、長野県の荻原豊次氏が開発した「保温折衷苗代」です。
話は遡って、昭和6年。この年に襲った大冷害は稲の減収をもたらし、昭和の大飢饉と呼ばれました。
この冷害を回避する策として、一日でも早く田植えをして、稲体を大きくすることだと判っていたのですが、その具体策はさっぱり分かりませんでした。
工夫を重ねること11年目の昭和17年、ついに野菜の苗作りからヒントを得た、苗代を油紙で覆って稲の苗を保温する「保温折衷苗代」の発明に至りました。
これにより、苗代の温度は2~3度上昇し、田植えを2週間程度早めることに成功しました。
えっ、まだ一か月早まっていないって?
話はこれからです。 続く
2014.4.12
本日は茨城アイガモ水田トラストの種播きでした。
写真の機械は大変お利口さんの機械で、苗箱を一枚一枚自動でベルトコンベアーに乗せてくれて、床土を真っ平らに敷いてくれ、そこに田植機の掻き取り回数と同じだけの条を引いてくれて、その条に合わせて一粒ずつ種を播き、端から端までまんべんなく均一に水を撒き、そこに同じ厚さの土を掛けて、さらに周りに付着した土を拭き取って綺麗にして、さあどうぞと言いながら排出してくれます。
この言葉にすると非常に長いセンテンスを、わずか数秒でやってしまいます。
昔は、沢山の人達が寄ってたかって時間をかけて、お喋りしながらやっていたことを、文句も言わずに作業終了まで黙々とやってくれるのです。
情緒も減ったくれも、感傷の余地すらありません。
と言う訳で、世話人のHさんが到着した時には、既に作業は終了していました。チャンチャン
午後は、トラクターで耕耘です。
レンゲが咲き始めて、これからが見どころと言う時期なのですが、このままにしておくと田植えまでにレンゲが分解しなくて、田植えが出来なくなってしまうので仕方がありません。
昔のように、6月田植えならば、レンゲの種が出来るので、毎年わざわざレンゲの種子を買って、種播きをする必要もなくなるのですが、現在は5月田植えが定着しました。
それには、きちんとした理由があります。
続く
2014.4.11
種播き後の種子の生育を促すために、種を播く前に予め発芽させることを催芽(さいが)と言います。
朝の出勤する前に、水温を上げて発芽を促すために、ヒーターの目盛を25℃にセットしました。
そして夕方、まだ芽が白く透き通っていないのを確認すると、目盛を30℃まで上げました。
これで明朝、種籾の芽が動いていてくれるといいんだけど。
管理人の敬愛する星川清親先生(故人)を東北大学に訪ねて行くと、
先生を質問攻めにしてしまうのですが、先生にはいつも可愛がっていただきました。
「先生の本の中に、イネの発芽適温は32℃だと書かれていますが、発芽の適温とは一体なんですか?」
「発芽の適温とは、なんだろうね。私にも良く判らないんだ」
「では何故32℃としたのですか?」
「32℃の時の発芽率が最も高かったからさ」
「発芽率が最も高くても、それが発芽適温とは言えないんじゃないですか?」
「その通りだね。君は発芽適温って何だと思うかね」と笑っておいででした。
最近では催芽の時に温度を30℃以上にしないように普及員から指導されます。
30℃以上にするとカビの発生率が高まるのだそうです。
なので、30℃にセットしました。
2014.4.10
昨日まで種籾は、水に冷やされていました。
たっぷりの水を吸収した種籾は、芽を出す機会を今か今かと伺っています。
「そろそろ起きる時が来ましたよ」とお知らせするために、今日から水を循環して酸素の供給を始めました。
酸素を一杯吸収した種籾は「ばちぼちやっか」となる訳です。
2014.4.9
温湯消毒をした日が3月21日だったから、種籾を水に浸けてから19日間が経った。
そんなに水に浸けっぱなしで、種が酸欠になって死んじまいはしないかと、心配になるかもしれない。
あにはからんや、種は水を十分吸収して、発芽のタイミングを待っている。
Tさんの「アイガモと作る有機無農薬米」ビデオ(以下のアドレス)を見た人は「おや!」と感じるだろう。
http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/1044
ビデオでは、発芽の前の給水期間について、
積算温度100度=水温10℃×10日間
が必要だと説明している。
頭の良い人なら以下の様にパパッと暗算するところだろう。
15℃だったら7日間
20℃だったら5日間
33℃だったら3日間
50℃だったら2日間
100℃だったらたったの1日
実際に実験してみると答えは...。
学生時代や社会人になってからも先輩から「教科書通りにはいかないよ」と頻繁に言われた。
現在、種を扱う仕事をしているが、新人農家だけではなくベテラン農家からも「説明書きに積算温度が100度と書いてあるのに、その通りにならない」とクレームが来ることがある。
そんなクレームを聞くたびに先輩の言葉を思い出す。
みんな、あんまりマニュアルを信用しないでね(笑鴨)。
2014.4.7
合鴨農法米の純米酒「笑鴨」を作るにあたってモデルにした古野隆雄さんの「一鳥万宝」が福岡県から届きました。
古野さんは「酒がメインではない。田んぼで作ったお米のバリエーションとしてお酒がある。だから、酒米から作らずにあえて飯米を使っている所がこだわりです。」とアドバイスしてくれました。
また「お酒の客層と飯米の客層とは異なる。ただ、お酒を飲んでくれた人が飯米に興味を持ってくれたり、その反対にお米を食べてくれた人がお酒に興味を示してくれることもある。だから面白いんだよ。」
そして「全国の合鴨のお酒を持ち寄って、皆で語り合いましょう。」
夢は、ほろ酔いと共に広がります。
2014.4.5
いよいよ種まきが来週に迫ってきました。
今日は、育苗箱の洗浄です。
あれあれ、カモ子が水の音を聞いて、堪らずに飛び込んできたぞ。
2014.4.4 読売新聞
合鴨農法米の純米酒「笑鴨」を醸してくれた来福酒造が、FIFA公認酒を販売するそうです。
水戸では、以下の2店舗での販売です。
寿屋酒店 元吉田町1418−5 TEL: 029-247-3638
港屋酒店 白梅4丁目6−22 TEL: 029-221-3657
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