2014.10.31
レンゲの効能についての最終回(たぶん)。
レンゲについて学びたくて、1999年、第一人者である安江多輔名誉教授(当時)に会いに岐阜大学を訪ねた。
管理人の片手には、教授が著した「レンゲ全書」農文協を携えていた。
先生は、見ず知らずの訪問者を温かく迎えて下さった。
先生の話では、レンゲは中国伝来で、最初に書籍に登場するのは江戸時代だと言う。
レンゲの学名はアストラガルス・シニカスで、アストラは星をシニカスは中国を意味する。
ただアストラガルスは、距骨の意味だから距骨の形状が星の形なのだろうか。
蛇足として、レンゲの花(華)は仏教の象徴である蓮の花に似ているので蓮華と言い、仏教と共に来日したという説もある。
江戸時代には、花が咲いて実が出来るころ刈り取って馬の餌にしていたらしい。
クローバーの別名をウマゴヤシと呼ぶが、レンゲも同じマメ科だしね。
また、食料に困った時には人間も食べていたということだ。
これを専門用語で救荒作物(ソバが有名)と言い、穀物が不作の年、これを食べて飢えを凌いだのだよ。
レンゲが食用だったという衝撃的な事実を知った後に、お土産として先生の品種改良による四季咲きレンゲを頂いた。
帰ってから、ポットに播いて1~2年は花を楽しんだが、いつの間にか消滅しまったのが心残りだ。
最近サプリメントでアストラガルスが滋養強壮に良いとのこと、やっぱり口に入れるものだった。
ちゃんちゃん。(笑鴨)
2014.10.29
最近、放棄された田んぼや畑がとみに増えてきた。
すると、そこには必ずセイタカアワダチソウがはびこる。
管理人が、最初にこの植物の名前を知ったのは、青春時代真っ盛り、花も恥じらう17歳の夏だった。
初めて自分の小遣いで買った八神純子のアルバムB面の2曲目にこの曲が収められていた。
この曲を聴くとセイタカアワダチソウは知らないけれども、きっと素敵な花なのだろうと勝手に想像していた。
大学に入って、農学を志すと荒れ地に生える外来雑草だと言うことを知る。
社会人になって、周りに花粉症で苦しんでいる人が増え、原因が杉やセイタカアワダチソウの花粉だと教えられた。
セイタカアワダチソウの名誉のために言っておくけど、セイタカアワダチソウは、虫媒花であって、風媒花ではないので、杉の様に花粉を飛ばすことはありえません。
これは、同じキク科のブタクサと間違えられたものと思われます。
それに、荒れ地に素早く侵入し、表土を覆うので、土の劣化を防いでくれるのだ。
光合成をし、二酸化炭素を減らすっちゅうことは、地球温暖化を防止してくれる。
冬になって、ほとんどの花が枯れ落ちても、セイタカアワダチソウだけは、太陽の光を受けて、黄色く輝き続ける。
この時期、蜜源であり、花粉の供給源でもあるので、ミツバチにとっては、なくてはならない植物なのだ。
盛大に表土を覆った後に、アレロパシー効果で他の植物を駆逐するが、最後に自分の毒で自分が生育できなくなってしまう。
ところが、それで自然は終わりではなく、バクテリアやカビがセイタカアワダチソウが出した毒を分解し、今度は他の植物が生えてくる。
自然の浄化作用、風の谷のナウシカで描かれていた世界と同じだ。
こう読み解けばセイタカアワダチソウに、より一層の親近感を感じるのは管理人だけ?(いとあわれ鴨)
2014.10.28
古野隆雄さんから電話があった。
「先日、本を送らせてもらったけど」
「どうも有難うございました」
「あの本の推薦文を合鴨通信に書いてくれないかなあ」
合鴨通信は、全国合鴨水稲会の会誌である。ブログの読者は、全国合鴨水稲会の会員とは限らないので、ブログ読者特権として、先に読んでもらいましょう。なんちゃって、没になったら、会員でも読めませんよー。
「農業は脳業である」を読んで
心に刺さった言葉がある。「経済のグローバリゼーションのなかで、農業を取り巻く状況はますます厳しくなっている。だが、仕事が面白く、仕事自体が楽しい目的となっていれば、決して農業は潰れない。」
2011年3月11日の地震と津波で、福島第1原発の6基のうち1~3号機で全電源を喪失。原子炉の冷却ができなくなり、メルトダウン(炉心溶融)が起きた。1、3、4号機の建屋は水素爆発で損壊し、大量の放射性物質を放出。事故の国際評価尺度はチェルノブイリ原発事故と同じ最悪のレベル7。
風評被害を含めて東日本の農家を襲った被害は、甚大なものだった。一部の農民は、自主的に農産物を検査するために大枚をはたいて検査機器を外国から取り寄せ、安全をアピールした。けれども一度貼られたレッテルは、なかなか覆すことは出来なかった。2010年に収穫した米には、放射能は関係ないはずなのに、それも否定された。
以前、フィリピンの星空の下、安酒を片手に古野さんと理想の農業について語り合った。その時「お金は大切だよ」と言われた。さすが苦労人、儲けることも忘れていないのだなあと思ったが、本心はそこには無かったことが冒頭のセリフから分かる。
放射能以来、離れた顧客は二度と戻って来てはくれないが、合鴨農家を支えてくれる友人がいる。TPPを前にして政府は日本の農家を大規模化し、コストダウンにより乗り越えようとしている。
1戸当たり平均耕作面積は、2.17ha(H26概算)。認定農業者の割合が、13.7%(H22概算)。総ての土地を認定農業者で分配したとして、1戸当たり耕作面積は、16~19ha程度。なので、今年の生産者米価を考えると、慣行栽培での米作りでは食っていくのは到底不可能なのだ。
米を作っているのに米が食えないのか、貧乏だから豚の餌より安い米を食わなければならないのか、微妙な所だが、まずもって変な世の中になってきた。
ここでもう一度冒頭のセリフに戻る。何が農業の目的なのか。
土をいじるのが好きだから農業をやり、他人が美味しいと言ってくれるのが嬉しいから作物を作り、鴨が笑ってくれるから田んぼに鴨を放す。
原点はここにあることを気付かせてくれた本が、古野隆雄著「農業は脳業である」コモンズであった。
2014.10.27
夏目漱石のそば好きはつとに有名である。
食べ方に一家言ある。
江戸っ子の流儀といっ てもいい。
小説『吾輩は猫である』にも、そば通らしい講釈が出てくる。
いわく、そばの3分の1につゆをつけて、一口で飲む。
かんではいけない。
「つるつる と咽喉(のど)を滑り込むところがねうち」となる。
ざるそばは、手数をかけず三口半か四口で食べろという。
生来、胃弱で胃痛持ちの漱石だが、そばをかむな どというやぼは許さなかった。
むろん、打ちたてに限る。
そばの延びたのと、人間の間が抜けたのはよろしくない、と漱石のそば論は人間にも及ぶ。
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落語にこんな一説がある。
「そばの食い方も知らないなんて、お前はどこの田舎もんだあ?そんなにジャブジャブと汁につけちまったら、そばの味も香りも分からないじゃねえか!そばってえもんはな、こうやってそばの先を一寸か二寸ほど汁につけて、ススッと手繰るもんなんだよ!」
その男が大病を患って、明日を知れぬ身となった。
見舞いに来た友人が聞いた。
「何か思い残したことは無いか」
「一度でいいから、たっぷりと汁につけてそばを食いたかった‥‥」
見栄を張るのもいいですが、思い残しの無きように生きなはれ。
2014.10.26
実が七割程度入っています。今年は今のところ順調の様です。
田久保より
2014.10.25
本日は、種籾の調製作業です。
と言うか、最近スズメ(茨城弁ですずめめ)にすっかり覚えられてしまって、稲架が雀のお宿になってしまいましたので、無くなってしまう前に、人間様の分を確保せねばと始まりました。
まず、日陰で充分干した稲の藁と籾を外します。
これには、足踏み脱穀機を使います。
右足でペダルを踏んで回転を維持します。
そこに稲束を入れ、籾を剥ぎ取って行くと言う表現が適切でしょうか。
脱穀しても、藁やまだ穂と繋がったままの籾がたくさんあります。
なので、唐箕(とうみ)を使って、風の力で重い籾と軽い籾ともっと軽いゴミとに分けます。
重い籾が、一番口からピンクのボックスへ出てきます。
軽い籾は、二番口から管理人の立っている側に出ます。
そして、軽いゴミは遠くへ飛ばされます。
そこまで選別してもまだ、籾には芒(のげ、のぎ、ぼう)や枝梗(しこう)と呼ばれるヒゲのようなものが残っています。
これが残っていると、種播きの時に播種機に詰まってしまい、正確な種播きが出来なくなってしまうので、脱芒機(だつぼう君)でヒゲ取をします。
この脱芒君は非常に優秀で、ヒゲを取るだけではなく、篩(ふるい)で薄い籾(手前の緑のボックス)と厚い籾(右側のピンクのボックス)に選別してくれます。
最後に、バケツに水を張り、選別した籾を水に入れ、水に浮くようならば、選別が甘いので、もう一度唐箕(とうみ)に通して、軽い籾を飛ばして終了です。
軽くて飛ばされた籾は、カモさんと鶏さんの餌になります。
期待していた雀さん、ごめんなさい。(笑鴨)
2014.10.24
久しぶりに田んぼに行ってみると、見慣れない植物が。
何だかわかりますか?
これ実は、稲刈りの写真に出ています。
花が一週間くらいで枯れて、茎は腐って行くのですが、その代わりに地面から濃緑の葉っぱが旺盛に茂っています。
冬の間にたっぷりと光合成をして、地下茎を増やすのでしょう。
ところで、田んぼには、土竜(もぐら)が付きもので、しょっちゅう畦に穴を開けては、水漏れの原因になっている厄介者です。
その土竜が、ヒガンバナを植えると寄り付かないと昔から言われています。
その理由は、ヒガンバナの球根には毒があるので、ヒガンバナの球根をかじった土竜は、下痢ピーになり、二度とヒガンバナの顔(花?)も見たくなくなると言うのですが。
でも、ちょっと待てよ。
土竜は肉食で、ミミズを食べて暮らしているのだから、植物であるヒガンバナの球根を口にすることはないはずです。では何故?
あっ、そうか、ミミズがヒガンバナを嫌がるから、ミミズを捕食する土竜も居なくなるんだ。
長年の謎が解けました。(嬉しい鴨)
2014.10.21
常陸秋そばの本家本元と言えば、常陸太田市(旧金砂郷町)です。
そこのソバの状態が今回2回の台風の後どうなっているのか気になったので、(あくまでも業務として)行って参りました。
その前に、腹が減ってはなんとやら、茨城県合鴨水稲会前会長の小林さんお薦めの蕎麦屋さん「ちのね」に立ち寄りました。
場所は、そば街道(県道62号線)を真直ぐ北に、そのまま行けば赤土で、左は常陸大宮、右は水府の十字路に位置します。
メニューは、もりそば550円 ざるそば600円 けんちんそば750円 とてもリーズナブルです。
腹ごしらえが終わったら、ソバの状況調査。
南の方は、収穫前のソバがべったりと倒れていましたが、地際の茎がしっかりしているので、収穫に時間を取られるもののそれほど減収にはならないでしょう。
北の方は、もう収穫が済んでいて地干し(写真左)または、島立て(写真右)の状態でした。
今年も美味しい蕎麦にありつけそうです。
播種後59日目
ちなみに、茨城アイガモ水田トラスト 蕎麦部会のソバは、まだ葉っぱが青々としているので、落葉するまで今しばらくお待ちくださいね。
焦ったら、いかん。焦ったら。(笑鴨)
2014.10.19
朝、田んぼに出てみるとれんげの葉の回りに露がびっしりと付いて美しく輝いていました。
この感動を他の誰かに分けてあげたくて、カシャ。
そう言えば、管理人が生まれた静岡ではレンゲなどと上品には言わずにゲンゲと呼んでいました。
田んぼにレンゲをと強く思うようになったのは、除草法(2014.10.5)に加えて、蜜源としてでした。
茨城アイガモ水田トラストの会員さんにミツバチ博士がいて、ボリビアから帰ってきて家でぶらぶらしていた管理人に、ミツバチを飼ってみないかと声を掛けて来たのです。
ならば、ミツバチの巣箱を田んぼの前に置き、レンゲの蜜を集めたらさぞ楽しかろうと話をしたものでした。
ミツバチをしばらく飼っていたのですが、勤め先が決まり、勤めに出るようになるとミツバチの世話が十分できなくなり、分蜂の時に逃げられてしまったり、スズメバチに襲われて、全滅させられたりしました。
と言う訳で、蜂飼いは暫らく休業することにしました。
定年退職後の楽しみに取って置くことにします。
当時集めた蜜は、ヨーグルトの上に乗せたり、梅酒を作る際に砂糖の代わりに入れたり、思い出が沢山あります。(懐かしい鴨)
2014.10.18
二日前のブログで柿の実について蘊蓄を傾けたところで、今日はソバの実について見てゆきましょう。
ソバの実を語る前に、先ずはソバの花だけど、ソバには花びらが無いってみんな知ってました?
花びら(花弁)に見えているのは、実は花びらを支えるガクの部分です。
それだけでも参ってしまうのにソバには、異花柱性(2014.9.27ブログ)と呼ばれる自家受粉を避ける仕組みがあったりして、ミステリアスな部分を併せ持っています。
もう少し言うと、柿の実はガクが4枚で四角形の実を形成していましたが、同じくりんごは5枚のガクで五角形の実を生らします。
ならば、ソバも五角形かと思いきやあにはからんや、そうではありません。
そうです。ソバの実は三角形です。
ではソバの実の付き方はどうかと言うと、写真で示した通り、上の3枚のガクのラインに一辺を載せ、残りの二辺は、下の二枚のガク間で交わる逆三角形に膨らみます。
ところが、結構な確率で出来るので見たことがある人もいると思いますが、四角形の実が出来ることがあります。
なにかの遺伝子の異常だと思われるので、種にはしないように除きますが、よく観察しているとまだまだ面白い発見がありそうな気がします。(楽しみ鴨)
2014.10.17
アイガモ水田トラストの田んぼの畦に生えていたミゾソバです。
ピンク色の花が可憐でしょ。ただし、蕎麦と同じタデ科ですが、こちらは食べられません。
同じ写真が二枚並んでいるから、立体写真かって、いやいやそうじゃありません。
今回は、花の美しさもそうですが、カメラの進化に着目しました。
最初の写真は、普通のマクロ撮影です。ピントが一点にフォーカスし、後はきれいにボケています。
二番目は、最新の技術で撮りました。
ピントを少しずつずらしながら連続撮影し、ピントの合った部分だけを取り出して、合成し一枚の写真に仕上げています。
ピントが手前の葉先から、奥の花まで広い範囲で合っているのが解ると思います。
エーッ、良く判らないって!それは管理人の腕が悪いからで、カメラのせいではありません。(お詫び鴨)
説明を聞くと非常に複雑なことを時間をかけてやったように思えますが、これらの作業をカメラが、瞬時に(1~2秒ほどで)やってくれます。
これまでは、蛇腹式でレンズの角度を傾けられる高級機でしかこのような写真は、撮影できませんでした。
それを、小さなコンパクトカメラで瞬時にやってしまうとは、さすが顕微鏡も手掛けるメーカーの技術力です。
これからの撮影がますます楽しみになりました。(喜び鴨)
2014.10.16
柿を上から眺めることってあまりないよね。
これをジッと見ていると不思議なことに気付く。
花弁が4枚。そして、実の形は4角形。
4角形だけど、輪切りにしてみる。
すると、タネが8ヶ。どちらかというと2ヶ×4組。
きっと何か関係あるよね。
ソバはもっと不思議だよ。(なぞカモ)
2014.10.15
入谷の駅から歩いて2分、金澤米店の砂金(いさご)夫妻を訪ねました。
砂金さんは、元社会科の先生だが、奥さんの家業の米屋を継ぐことになった。
どうせやるなら、こだわりの米屋をと、全国を自分の足で歩き、信頼のおける農家と直接取引をする。
砂金さんは、全国合鴨水稲会の世話人でもあり、行方にも何度か足を運んでいただいた。
今回は、一般米の生産者米価が下落したが、有機栽培米の状況はどうなっているのかを尋ねた。
結論から言えば、有機栽培米は、一般米のような市場価格連動ではなく、生産者が売りたい価格=再生産可能な価格でやっているので、大きな変動はない。
再生産可能な価格を切るようならば、農家にお米を作ってもらうことは出来ないし、そうなれば消費者にお米を届けることも出来なくなってしまうと言いたいのだろう。
しかしながら、有機栽培米を買う消費者が、これまで通り買い支えられないような状況になった場合には、有機栽培米の価格見直しもあるだろう。
現在、米一杯の価格は、コーヒー代やお菓子などと比べたら、最高級の魚沼産コシヒカリでさえずっと安い。
そのことをきちんと消費者に分かってもらえば、納得してもらえるはずだ。
と話す砂金さんの迫力には、圧倒されまくりでした。
当日はあいにくの雨模様で、商店街は閑散としてましたが、酉(とり)の市の日は、人・人・人で一杯になるそうです。
それに合わせての商売も提案して頂きました。恐れ入谷の鬼子母神です。
酉の市が楽しみです。ムフフ(笑鴨)
2014.10.14
朝起きたら、雨も風も止んでいた。
前回の台風の時に、田んぼの排水対策を徹底的にやったおかげで、水が溜まったところは無かった。
実は、子供の頃、台風の日が好きだった。
台風が来るとたいがい学校は早仕舞いし、低学年の子は高学年に連れられて家路を急ぐ。
夜は、雨戸をしっかりと閉め、風がピープー唸りを上げ、木の枝が雨戸を打ち付ける。
その内、停電になり、部屋の真ん中に置かれた卓袱台(ちゃぶだい)の上に立てられた蝋燭を家族で囲む。
お母ちゃんの「こういう時はさっさと寝なさい」の声に促されて、布団に入るが、ワクワクしてなかなか寝付かれない。
もしかしたら、明日は休みなんじゃないだろうか。休みになったら、何をして遊ぼうか。
けれども次の朝は、カラッと晴れ上がっていて、期待を裏切られる。
「えー!今日、休みじゃないの?」
「そんな訳ないでしょ。さっさと学校に行きなさい」
家を一歩踏み出すと、木の枝は折れ、あちこちに散乱している一方で、吹き溜まりのゴミはどこかに吹き飛ばされ、きれいに片付いている。
道路に出来た水溜りは、青空を映して、キラキラと輝いている。
「台風の次の日の朝が大好き」と口に出すと
「何、馬鹿なこと言っているんだ」と笑われたものだった。
この感情は普通の人とは違うのだろうと長年思い煩っていたら、同じ感覚の人と高校時代に出会ったね。
野分(のわき)のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。
何を隠そう清少納言さんが、僕の気持ちを理解してくれた初めての人です。(笑鴨)
全国合鴨水稲会の古野隆雄さんが本を出版されました。
その名も「農業は脳業である」
温故知新とは言いますが、昔からあった常識を疑い、自然観察とくじけぬ精神で、篤農家の技術であった合鴨農法を誰でも実践できる農法に噛み砕いてくれた古野さんの悩ましい半生を紐解く本です。
秋の夜長に是非枕元に置いて目を通されることをお勧めします。
PS. 外は大荒れ、家は大揺れです。
2014.10.12
アイガモ水田トラスト 平野代表からのメールです。
2014.10.11
茨城アイガモ水田トラスト 蕎麦部会の常陸秋そばです。
実の形がしっかりしてきました。
茶色くなってきた実があったので、登熟が進んでいるのかなと思って押してみるとくにゃっとつぶれました。
白い実の方からは、白い汁が飛び出してきました。
察するに、茶色の方は結実しなかった花の朽ちていく姿と言ったところでしょうか。
この瑞々しい白い実が、あの漆黒のソバに成るのかと思うとワクワクします。
観察を続けます。
2014.10.7
本日の蕎麦畑
管理人さんにやって頂いた「中耕」のお陰でしっかり根付き、台風にもめげず満開です
田久保より
2014.10.6
朝起きたら、暴風雨の田んぼに波が立っていた。
これでは、せっかく芽が出たれんげがオシャカになってしまう。
あわてて河童を、じゃなくて合羽を羽織り、片手に鍬(くわ)を握り、家を飛び出した。
なので、今日の写真は無し。
昨年も10月頭に大雨が降って、この時は排水が一日遅れたために、れんげが水没して腐ったところがあったのを思い出す。
排水溝をふさいでいる藁屑(わらくず)を除き、水路を掘り、水が流れ出すのを確認し、次の田んぼへ。
頑張れよ。死ぬんじゃないぞ。祈りながらの作業だった。
ところで、れんげの効能その3は、有機物による土壌の団粒構造の促進。
土壌の団粒構造が促進されると、土と土の間に隙間ができて、そこに水分や養分を蓄えたり、微生物が住みやすくなる。
平たく言えば、豊かな土になる。
有機栽培の米作りで大事なことの一つに土作りがあります。
米作りの基本的な考え方は、コメとして持ち出した分の栄養分を土に戻してあげれば、地力は低下しないはずです。
そうした意味で、最も消耗が激しいのが窒素肥料なので、れんげの根に付く根粒菌の働きを借りて、空中窒素を土中に固定してもらいます。
れんげの効能は、窒素固定以外にも、無機態の肥料(=化学肥料)では絶対に出せない風味があります。
それは有機態のアミノ酸からでしか生まれない旨味です。
大分前の話ですが、管理人がれんげ4kg/10aを播種し、れんげの花が咲いてから、田んぼに水を入れ、れんげのアクで除草をする「れんげ除草」をやったことがあります。
この方法は、有機農業研究会の高松修先生(故人)から教えて頂きました。
その年の稲は、通常秋になると葉の色がさめて黄緑色になるはずなのに、いつまでも濃い緑色で、
「あんな葉色をしていたら、絶対に倒れてコメにはならないぞ」と周りの農家から脅されました。
収穫の時まで稲の葉は緑色をしていたのですが、茎が太くて決して倒れることはありませんでした。
そして、粒が大きくて食べるといつもよりも甘みが強くて、思い出に残る米作りとなりました。
その時の米の味が、管理人の目標となっているのですが、管理人のお米を食べて下さっている皆さんの評価は如何なものでしょうか。
あの時作ったのは「コシヒカリ」ですが、今の「いのちの壱」もなかなか面白い品種です。
台風接近中、れんげが水没したら、せっかく発芽したのに死んでしまいます。
田んぼに切った溝がどこまで排水してくれるか、ここが勝負どころです。
2014.10.4
「笑鴨」製作委員会メンバー代表が、来福酒造を訪問しました。
そこで一番気になっていた、山百合酵母(2014.7.30参照)について聞いてきました。
藤村社長の回答は以下の通りです。
1.酵母とは、土中や空中にいるもので、それが虫や風で運ばれ、糖(エサ)を見つけて花の中に住み着く。
2.花酵母は、20度程度のアルコールを作り出せるものでないと日本酒には適さない。
3.酵母は色々採れるが、そこから生まれる香りや味は様々で、日本酒に適したものでないと消費者には受け入れられない。
4.桜の場合は、納得する酵母を見つけるまでに5年かかった。
5.というわけで、山百合酵母はまだできていない。
6.しかし、百合の酵母はまだ発見されていないので、大いに期待している。
簡単に作れてしまったら、それなりの価値のモノになってしまうので、簡単にいかないところが良いのではないでしょうか。
気長にいきましょう。(苦笑)
2014.10.3
世の中には擬態かと思われるものもあります。
根がボコボコしていてもちっとも生育が良くない時には、ネコブセンチュウを疑って下さい。
こいつは根に共生ではなく寄生しています。
植物に入り込んで良い働きをしていると「共生」で、良くない働きをすると「寄生」となるんですね。
まるで「発酵」と「腐敗」の関係みたい。
根粒菌が共生するとマメ科植物の生育は格段に良くなります。
このときに「根粒菌が地面に住み着いてくれたのだなあ」と実感します。
そして、田んぼの状態にして水を満たした状態を半年続けても、ちゃんと生き続けてくれます。
さらに、次の年に再びれんげの種子を播いた時にもっともっと生育が良くなり、土を肥やしてくれるのです。
「根粒菌」本当に有難い生物(ヤツ)です。
有機農業の最強の味方ですね。
2014.10.2
昨日書こうとしていたれんげの効能について
れんげが育った畑は土が肥えることを江戸時代の人々は知っていたようで、そのころから多く使われ出したと言われています。
戦後は、化学肥料全盛の時代になり、管理人が子供の頃は、まだれんげ畑がありましたが、最近はほとんど見ることもなくなりました。
と思っていたら、最近は「水田フル活用」なる政策が飛び出し、水田の裏作に景観作物や緑肥作物を栽培すると種代の半額補助が出るので、れんげの種代が急に倍に値上がりしました。
管理人は、政府の補助金なぞ全くあてにしたことは無いので、このれんげ代の高騰は、えらい迷惑な話です。
結局この政策は、タネ屋を儲からすためにやっているだけの様な気がします。って、今日のタイトルからずいぶんと脱線したなあ。
それでは本題に入ります。
れんげは、マメ科の植物なので根に根粒菌と呼ばれる土壌微生物(バクテリア)が共生します。
この根粒菌は、空中の主成分である窒素を植物に吸える形(アンモニア態)に変えて、植物の成長に役立ててくれるのです。
だから、根粒菌がいっぱい根に付いてくれれば、たくさんの窒素を空中から取り入れることが出来ます。
が、最初からうまく行くとは限りません。
マメ科植物を何年か栽培しているとだんだんと土中に根粒菌が増えます。
また、反対に何年かマメ科植物の栽培を休んでいると土中の根粒菌の密度は下がります。
なので、最初の年は、4kg/10aのれんげ種子を播きましたが、最近は1kg播けば充分なようです。
2014.10.1
秋ですねえ。今月は神様のいない月なので、何が起こるか分かりません。
田んぼでれんげの播種をしましたが、風が冷たかったです。
へいわねこさんから管理人に便りがありました。
メッセージ: いつも楽しく拝見してます。面白くて為になるサイトとして大いにPRさせていただいてます。
>有難うございます。じゃんじゃんPR して下さい。励みになります。
①いつの間にか、カモさんと作るボクらの未来→合鴨農法で創る僕らの未来に変わったのですね。
>はい、「かもさんと」では手段が曖昧に感じられたので、明確に「合鴨農法」とさせて頂きました。
②笑鴨が味わえるお店に、こだわりの蕎麦と珈琲と酒の店、お押上の長屋茶房・天真庵(http://tenshinan.jp/)を追加してください。月一で片淵さんが握る江戸前寿司は絶品です。
>はい、リンクさせて頂きました。ご確認お願いします。
③ヒガンバナの別名は、リコリスです。(リリコスではありません。)
>失礼しました。ユリ科だと思っていたので、リリコスと覚えてしまいました。実際はヒガンバナ科だったのですね。
④小田掛けと曼珠沙華の写真、素敵です。引き延ばしたいので、大きいファイルがあれば送って下さい。
>残念ながら、ブログに掲載した写真は、総て小さくして保存しております。
>色々ご指摘ありがとうございました。
いいね!して下さった皆様へ、本当に有難うございます。
健全な食卓は、健全な未来を創る。
健全な社会のために、健全な食材と楽しい情報をお届けします。